狙い目は梅雨や台風シーズン!!
─ちなみになんですけど、バイクを売る時期というか、タイミングによって査定金額が変わる、なんてことはあるんですか?
じつは、以前は季節によってバイクの買取金額が違う、と言われていました。たとえば冬は南の方では雪が降らないから高い、東北では乗れないから安い、みたいな話が都市伝説的に語られた時代もあったんです。
しかし今は、業者間オークションにしても販売店の中古車販売網にしても、ネットでつながっているし全国規模なので、そういうことは無いですね。
─そんな時代があったんですか…。
しかしそれでも、やはり高く売れるタイミングはあります。考え方としてはこうです。買取業者も企業ですから、当然ですが年間の売り上げ目標なり、買取目標台数などがあるわけです。それに応じて月間目標が決まり、1日の売り上げや買取台数の目標値が決められます。いわゆるノルマが設定されていることがほとんどです。企業としては当然ですよね。
営業職のサラリーマンでも同じだと思うんですが、ノルマに達しない時は無理してでも、時には値引きしてでも売り上げを達成しようとしますよね。そこで逆に、どんな時に売り上げが伸びづらいかを考えてみてください。
─みんながあんまり売りたくない時、ってことでしょうか?
そうです。たとえば雨の日。売る側にとって家の外で買取交渉なんて濡れるし面倒ですから、出張査定の予約をキャンセルするケースが多い。買取る側はその日の予約が1件だけだったとすると、その1件は何がなんでも、たとえ利益が出なくても絶対に成功させたいわけです。そうじゃないとその日の売り上げ、買取台数ともにゼロになるわけですから。そういう時は、査定価格に納得がいかなければ「じゃぁ売るのやめようかな…」って渋ると、粘れば粘るほど上限近くまで査定価格が上がる場合があります。
狙い目はただの雨の日じゃなく、梅雨や台風シーズンみたいな、しばらく雨が続く時期ですね。あとは大雪の日とか。買取の予約申し込み台数がガクッと減りますので。
ライバルが少ない時に売るのがコツ
─要するに、売り手としてはライバルの少ない時が有利、ということですか。
そうですね。買取りの査定予約の数は、土日になると平日の1.5~2倍ぐらいになるんです。急に「今度の週末にバイクを売りたい」と思い立っても、申し込みがいっぱいで翌週にされることもあります。面白いのは、ゴールデンウィークや正月休みのような大型連休は、皆さん出かけてしまうのか、意外と申し込みが少ないんです。月曜が祝祭日のような、普通の連休が混む傾向にあるんですよね。
─どうしてもすぐに売らなきゃならない場合を除けば、売るタイミングを考えた方がお得になりそうですね。
買取る側としては、たとえば忙しい時期、もともと原付の買取予定が入っていても、そこに利益率の高いハーレーの予約が入ると、原付のお客さんをキャンセルしてハーレーの方に行く、なんて買取業者もいます。そこまでではないにしろ“買取業者が忙しい日に査定を依頼すると、利益の薄いバイクは雑に扱われる”という可能性はあります。
─なるほど。では最終的に、売るのに絶好のタイミングとは?
“梅雨時期や台風シーズンなど雨が続く平日、月末の夜”って感じでしょうか。要するに買取業者のノルマが達成できていない可能性があって、しかも売り手のライバルが少ない時というのが、一番査定額がアップする可能性があると言えますね。これも買取業者の気持ちになって考えてみるといいですよ。